ご挨拶
私のウェブサイト俳句集に、ちょっと寄って行かれませんか。
日常生活の中での気づきや感想を、五・七・五の俳句の手法で表現しました。俳句作りには、季語の約束がありますが、私はストレートな表現が好きなので季語の入らない短句も含まれます。
毎月初め、私の句をウェブサイトに投稿する予定です。自己流で作った句集ですが、どうぞご覧ください。
中嶋 徳三
令 和 七 年
和歌が若い人たちに人気です。俳句17音(五七五)に比べて和歌は31音(五七五七七)、この差が表現の領域を拡げて詩情を豊かにします。そこで私は考えました。一つのテーマに、関連した二つの句を合わせると合計34音、和歌の詩情に迫れるかもしれないと考えました。
令和七年の一年間は、この考えの下、過去に掲載した句を中心に改めて2句の組み合わせを再検討し、詩情を豊かにしたいと思います。従前通り、句には写真と短文を記載します。お付き合いの程、お願い申し上げます。
四 月
1. 初の蝶
春来たを知らせて廻る初の蝶
アネモネの唄うがごとく風に揺れ
小さな白蝶が垣根を飛び跳ねるように庭に来て、春が来たことを知らせると隣家の方へ飛んで行きました。春になったのを知らせて廻る伝令の役目のようでした。
2. 芽吹き
花を観て歩き疲れた芽吹きかな
春芽立つ日劇ホールを思い出し
「日劇ミュージックホールを観たことがありますか?」「えっ、あのストリップ劇場ですか?」。こうゆう人とは、芸術の何たるかについて議論はできませんね。
3. 郭 公
郭公の初音はテノール筑波峰
つくば嶺やかすみが浦が水たまり
筑波山へはドライブがてら車で出かけて行きます。山頂の近くでは、郭公の爽やかな鳴き声を楽しめます。展望台からは、霞ヶ浦が水たまりのように見えます。
4. 春一番
春一番群がる敵をなぎ倒し
目目かゆし眼ん玉かっぽじって洗ったろか
春の強風が吹き荒れ、スーパーに隣接した広場にとめてある自転車を皆なぎ倒しました。まるで戦国時代の戦場で攻め寄せる敵の大群をなぎ倒すかのようでした。
5. 花吹雪
風吹けば身をまかせ散る桜かな
花吹雪風の間に間の静かさよ
桜の花は、風が吹くとその風に身を委ねるように散っていきます。風が止むと花も散るのを止め、桜の木の周辺は静かな気分になります。花のいのちは短いです。
6. 花の乱
蝶が舞いわたしも舞ふて花の乱
わが命あと幾度の桜かな
桜の開花を心待ちにする時間の長さに比べると、咲いた後の花の命は短いです。私の残りの人生で、あと何回桜の花を見ることができるかを考えてしまいます。
三 月
1. 春 光
雪晴れや氷柱の先に春光見ゆ
雪塊が腑抜けになりて春近し
暦の上では既に春になりましたが、寒い日が続いています。でも、少しづつ日脚が伸び、そこここに春の息吹が感じられます。春は、もうすぐそこまで来ています。
2. 草の花
草の花小さく咲けり華やかに
幼児の髪なびかせて風ひかる
春の穏やかな日差しの中、こんな処にと思う道路のアスファルトの裂け目に草の花が咲いています。その小さな草の花は可愛らしく、そして何よりも華やかです。
3. 春野ゆく
編笠と墨染の衣春野ゆく
花を見ん約を違えて友逝きぬ
私より十歳も若い友人(僧侶)が難病で亡くなりました。年齢差から当然に私が先に逝くと思い私の葬儀の話もしてました。遺影に向かい順番が違うと抗議しました。
4. 春立ちぬ
円空のほとけ皆笑む春立ちて
春新芽みな太陽を目指し立つ
円空仏展を見てきました。円空の一刀彫の仏像などが展示され、美術館の静寂さの中で異様な迫力を放っていました。とてもよかったです(日本橋三井記念美術館)。
5. 寒苦鳥
われも又寒苦鳥なり寒緩む
ぬくぬくや布団の中のおらが春
寒苦鳥は雪山に住む想像上の鳥。夜の寒さに耐えかねて巣を造り寒さを防ごうと決心するが、朝暖かくなるとそんな労は不要と思う怠け者、何の事はない私の事です。
6. 猫の恋
尾を立てて凛々しく歩む猫の恋
ひとの世はいつも発情ねこ笑う
わが家の猫が言ってました。私たち猫は恋の季節が決まっていて、その時は恋に狂うの。でも人間は一年中が恋の季節で恋に狂ってるの。私達に比べ品がないわよね。
二 月
1. 冬晴れ
冬晴れや富士と筑波の峰立ちぬ
荒波や砕けて冬の磯香発つ
水戸大洗には平安時代に創設された磯前神社があり参拝者で賑わいます。社殿に向う長い急な石段を下って海岸縁に立つと、冬の荒波が砕けて磯の香りがしました。
2. 雪起こし
雪起こしゴロと響いて雪雪雪
ほまれ
雪見舞い持参する酒雪誉
北日本の豪雪地帯では大雪の前に遠雷が鳴り、天の底が抜けたかと思う程の雪が降ります。大雪に雪見舞いの慣習がありますが、持参する酒の名が雪誉とは皮肉です。
3. 鴛 鴦
鴛鴦や波間に漂い春を待つ
波まかせ我も同じや浮世波
おし鴦が、湖の片隅で一塊になって寒風を避け、波に漂いながら春を待っています。われわれも又、娑婆の世の浮世波に漂いながら生きているのは鴛鴦と同じです。
4.大 寒
大寒やわれ蓑虫になりにけり
大寒に太ももだして闊歩して
年寄りの冬の外出の備えは万全です。厚手のコート、マフラー、手袋を着用して外出します。駅のホームで、若い女性が太ももを出して闊歩する姿を見て、おお寒い。
5. 春芽宿る
北風や立春大吉どうします?
厳寒の牡丹の枝に春芽宿る
厳寒の時節に、牡丹と紫陽花の枝に春芽が付きました。寒さの中でも木々は春が近いのを知っています。私は、寒いので今夜は熱燗と思っているのですが・・・。
6. 冬薔薇
冬薔薇や日差しに映えて微笑みぬ
達磨さん転んで冬の子ら静か
公園の広場で、子供たちが達磨さん転んだの遊びに夢中です。子供たちの賑やかな歓声が、達磨さんが転んだ途端に真剣で身動きしない姿に思わず笑ってしまいます。
一 月
1. 寺の街
をちこちに除夜の鐘聴く寺の街
山中に暦日無けれど初飾り
信州飯山は、豪雪と寺の街として知られ、私の第二の故郷です。大晦日になると、あちらこちらから除夜の鐘が聞こえ、新年がよい年になるよう鳴り響きます。
2. 初 春
初春や千両前に屠蘇の酒
門松や一夜飾りの澄まし顔
門松の飾り付けが、年末に用事が重なり一夜飾りになってしまいました。元旦になって門松を見ましたが、澄ました顔をして正月飾りの役目を果たしていました。
3. 水 引
水引の赤と白との線跳ねる
あな嬉し福と寿の名の草見つけ
禅宗のお寺では、一年を通して修行を行う意味で「山中暦日無し」の禅語があります。しかし、お寺の方丈には新春を寿ぐ正月飾りが華やかに飾られています。
4. お神酒
酒樽の栓抜き刹那神現る
きみとなら百歳まで共に般若湯
酒樽の栓を緩め、ある刹那で菰樽から神水が受け升に注ぎ出てきます。その瞬間、神さまがこの世に現れ出てきたのかと思うほど、厳粛で嬉しい気持ちになります。
5. 独行意生
百足らず八十歳目指し独行意生
南天の小さな朱実はわが太陽
「百足らず」は、百以下の数字にかかる枕詞です。百より小さいのに物ごとを大袈裟に言いなさんなと言われたようで、私はもう少し頑張ってみようと思いました。
6. 冬牡丹
冬牡丹そろそろこちらへ妻の声
娑婆の世は今宵湯豆腐炬燵酒
上野東照宮の冬牡丹を見に行った時、天国の妻からそろそろこちらへと誘われたような気がしました。でも、今夜は湯豆腐と熱燗が待っているのでとお断りしました。
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投稿者 中嶋 徳三